有樋尖頭器 [石器]
写真は相模野台地の大和市深見諏訪山遺跡の有樋尖頭器。
肩に樋状剥離をもつのが大きな特色だ。
1983年、ジュンクワさん、カシダさんなどとともに報告した石器だ。
私の型式分類だと「男女倉型有樋尖頭器」、に分類される。
その分類は1989年だから、かれこれ20年前の型式学的である。年をくう訳だ。
信州産黒曜石との産地分析結果が出ている。
信州から相模野まで、はるばる100kmの距離を越え、この石器はどのように移動したのか?
2009-06-22 23:07
nice!(0)
コメント(6)
トラックバック(0)
懐かしい石器です。
この石器は尖端部が熱を受けていますね。
また、樋状剥離のための準備として打面を作るように
調整があるのも特徴です。他の尖頭器も同様です。
私は、この尖頭器を基に左右非対称の「東内野型尖頭器」に対する左右対称の尖頭器として、「深見諏訪山型尖頭器」と名付けたのです(諏訪間1988)が、誰にも支持されませんでした。
以来型式名は付けないようにしています。
by ジュンクワ (2009-06-23 01:55)
考古学をやっている以上、一度は型式名をつけてみたいんですよね~。みんなが使ってくれるのを夢見て・・・・
私も「下鶴間長堀型」と呼んだ細石刃石核がありましたが、みんな無視・・・・・トホホ
本日23日朝日夕刊「おサルの温泉」書きました。みてね!
by 八ケ岳 (2009-06-23 21:36)
先端が火?熱?を受けてるってどうして分かるの?えものを刺したまま、たべたの?
by にゃんこ (2009-06-25 17:28)
にゃんこさん、
先端だけ割れてから、熱を受けていました。
黒曜石は焼けると白く濁ったり、くもの巣状にひび割れします。
おそらく割れた先端が、焚き火のそばかなにかにあって、火を受けたんでしょう。
by 八ケ岳 (2009-07-01 21:13)
樋状剥離ってどんなものをいうのですか?
by 考古学初心者 (2016-04-18 18:36)
考古学初心者さま
石器の先っちょから、雨どいのように入る縦の溝状の剥離痕跡のことをいいます。
by 八ケ岳 (2016-04-24 23:02)