晩氷期の人類社会 ―北方先史狩猟採集民の適応行動と居住形態― [図書]

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晩氷期の北方先史狩猟採集民の適応行動と居住形態に関する東京大学佐藤教授らの研究成果が1冊になりました。協会で販売されるとのこと、新しい方法論に基づく研究成果による本書をぜひお進めいたします。

本書解題より
晩氷期、人類はどう適応したか?
 長く厳しい氷河時代末期、ようやく温暖化しつつあった世界は、突然激しい気候変動に見舞われた。晩氷期(15,000~11,700年前)とよばれる氷期最後で最大規模のこの気候変動が、その後に続く温暖な完新世を迎えようとしている人類社会に与えた影響は深刻であった。
 本書『晩氷期の人類社会―北方先史狩猟採集民の適応行動と居住形態―』では、これまで筆者等が実施してきた北海道北見市吉井沢遺跡の調査成果を中心に、北海道に居住した先史狩猟採集民による晩氷期適応の実態について、最新の研究成果に基づく議論を展開している。そこでは、激しい寒暖を繰り返す晩氷期の北方世界において、先史人たちがどのような遊動生活を切り開いたかが具体的に描写されている。先端的な考古学研究がどこまで実態に迫り得るのか。
【目次】
Ⅰ 列島の晩氷期適応
 佐藤宏之 第1章 総論:晩氷期の人類社会―北方先史狩猟採集民の適応行動と居住形態―
 森先一貴 第2章 日本列島における晩氷期適応の地域相
Ⅱ 吉井沢遺跡の研究
 夏木大吾 第3章 北海道における晩氷期人類の居住生活―吉井沢遺跡の事例から―
 山田 哲 第4章 晩氷期における石材資源の開発と石器の生産・供給の様相―吉井沢遺跡出土資料からの考察―
 岩瀬 彬 第5章 晩氷期の北海道における石器使用と地点間変異―吉井沢遺跡の忍路子型細石刃核を伴う石器群を対象とした石器使用痕分析―
Ⅲ 北海道の晩氷期適応
 尾田識好 第6章 小形舟底形石器石器群からみた居住形態
 出穂雅実・ジェフリー ファーガソン 第7章 黒曜石の体系的産地分析からわかってきた古サハリン―北海道―千島半島の後期旧石器時代における狩猟採集民行動の変化
 髙倉 純 第8章 広郷石器群にみられる学習行動と文化伝達
 中沢祐一 第9章 北海道中央部の旧石器について
 赤井文人 第10章 晩氷期における北海道中央部の石材消費形態―忍路子型細石刃核を伴う石器群の分析―
 直江康雄・鈴木宏行・坂本尚史 第11章 白滝遺跡群の石刃技法
Ⅳ 北方大陸の晩氷期適応
 佐野勝宏 第12章 北西ヨーロッパの考古文化と生業戦略の変化
 平澤 悠 第13章 内陸アラスカの石器群の多様性と人類集団の連続性―近年の研究動向とその問題点

著者 佐藤宏之 山田哲 出穂雅実 編
出版社 六一書房
出版年 2016/04
B5 ページ 並製 276頁
5,800円+税

六一書房さんからもご注文いただけます。
https://www.book61.co.jp/book.php/N59714



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