浅間火山 ブログトップ

本日の浅間山 [浅間火山]

DSC00901.JPG

浅間山は、レベル2に火山警戒情報が引き上げられたが、7月に入ってからは比較的穏やかだ。

困るのは風評被害である。
マスコミが結構、危なっかしい情報を流すため、「身近に噴火がせまっている」ように思われがちである。

「そちらに伺って大丈夫ですか?」
私の勤める浅間縄文ミュージアムにも、こんな問い合わせがひっきりなしにある。
7・8月の夏休みシーズンは、来館者のピークだが、静かでいてくれることを祈るばかりだ。

浅間の麓、軽井沢の影響はどうなのだろう。

※ 写真は自宅からみた浅間山 火口から20kmの距離にある。

浅間山は大丈夫か!? [浅間火山]

「浅間山は大丈夫か!?」

御嶽山の噴火の影響で、このような問合せが浅間縄文ミュージアムに多くなっている。

噴火警戒レベルは、平常の1である。(レベルの説明は以下の気象庁Web)
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/level_toha/level_toha.htm

しかし、今回の御嶽山もレベル1であのような火山災害が起きた。
水蒸気噴火では、なかなかマグマ噴火と違って予知しにくいという状況がある。

どんなレベルでも火山の登山には細心の注意が必要なのは間違いないが、
どのように対処したらいいのか、観光も含めた周辺自治体では頭の痛いところだ。


日本火山学会第19回公開講座 「火山の音 実験教室」 [浅間火山]

日本火山学会第19回公開講座 「火山の音 実験教室」が開催されます。
小中学生を対象とした様々な火山の音の実験教室です。

講師は、東大・東北大・秋田大の先生方です。
24頁の素晴らしいテキストももらえます。
ぜひ申し込んでくださいね!

主催:日本火山学会 共催:浅間縄文ミュージアム
日時:10月13日(土曜日) 14:00 - 16:00
会場:浅間縄文ミュージアム・工作室
参加費無料
要事前申込  0267-32-8922(浅間縄文ミュージアムまで)

内容:火山学者と一般の方が,火山のでき方や噴火について,実験を一緒に行います.

お問い合わせ先: 0267-32-8922(浅間縄文ミュージアムまで)
公開講座紹介ページ:http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/ichihara/asama2012/

「天災は忘れた頃にやって来る」 寺田虎彦 [浅間火山]

寺田虎彦.JPG

「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた。」

 優れた物理学者で随筆家としても名高い寺田寅彦は、「小爆発二件」と題する昭和10年のエッセイで、浅間山の噴火についてこのように述べている。
 確かに噴火に慣れっこになっても、いたずらに怖がり過ぎてもいけないが、その現象を正しく認識し、行動を起こすことは容易ではない。

 寺田は、東京大学地震研究所の創始者のひとりで、付属の浅間火山観測所(軽井沢)にもたびたび訪れ、浅間山を観た。

「天災は忘れた頃にやって来る」
 あまりにも人口に膾炙したこの名言は、いみじくも寺田の言葉であったのだが、
それは逆説的にいえば「忘れない」ための心がけとでもいえるのであろう。

※ 中央の帽子をもつ人物が寺田虎彦。昭和10年浅間火山観測所(軽井沢)

八ッ場ダムと天明泥流 [浅間火山]

yanba.JPG

12月30日、今年最後のフィールド調査(江戸期浅間火山災害)に行ってきた。

天明3年(1783)の浅間山大噴火で流出した天明泥流をたどって群馬県吾妻渓谷を下った。
天明泥流は、建設の是非をめぐって大きな注目を浴びた八ッ場ダムにも流れた。

八ッ場での泥流到達高は、最大で70~80mと試算される。
八ッ場の直下の吾妻渓谷が大変狭いので、まさにダムアップが起こったとする説もある。

写真は八ッ場ダム橋脚、泥流が80mとすると、橋脚の2/3の高さまで到達したことになる。
想像を絶する巨大な川津波である。流域の村はことごとく飲まれ、1000人が亡くなった。

八ッ場ダムは、ついに建設の方向が定まったという。
いずれにせよ、こうした火山泥流災害にも多くを学ぶことが必要であろう。

※ 本ブログのご愛顧有難うございました。新しい年が良い年でありますように。

日本の火山観測100年 [浅間火山]

右:西澤左:大森1912年6月30.jpg

残りわずかだが今年は、日本の火山観測100年の記念すべき年であった。

1911(明治44)年8月26日震災予防調査会と長野測候所(後の地方気象台)が浅間山に全国初の火山観測所を設置したのである(写真)。
設置は東京帝国大学大森房吉教授(写真左)と長野測候所西澤順作技師(右)の尽力によってなされた。
 それから100年、気象庁では、札幌・仙台・東京・福岡の各火山監視・情報センターで、全国110の活火山の活動状況を監視している。
 特に火山噴火予知連絡会によって選定された47火山については、常時観測火山として他機関(大学等研究機関や自治体・防災機関等)の協力を得ながら、地震計、GPS、傾斜計、空振計、遠望カメラなどにより、24時間体制で火山活動が監視されている。

 震災もあった。霧島も活発だ。不断の観測が望まれるところである。

震災後 浅間山火山災害に関心が高まる [浅間火山]

img153.jpg

3.11の震災以降、天明三年(1783)浅間山大噴火について話をする機会が4回あった。

浅間縄文ミュージアム(勤務先)では、浅間山の自然史や災害史の展示をしているため、
地元から時々はこうした依頼があるが、今回は飛びぬけて多い。
住民の防災意識が高まっているのであろう。

「天明三年浅間山噴火災害と復興」というタイトルで、今回はお話している。
「災害」だけで不安感を持たせるのではなく、「復興」も知っていただきたいからだ。

写真は、絵図に残された軽井沢宿の様子、真っ赤に焼けた噴石が落下し、
獣が山から焼け出され、人々はパニックにおちいって逃げ惑う。【美斎津洋夫氏蔵】

国際観光都市の今日の軽井沢が、このような状況になったら・・・

より多くの皆さんに浅間の火山災害史を伝えたい。
浅間火山 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。