「天災は忘れた頃にやって来る」 寺田虎彦 [浅間火山]

寺田虎彦.JPG

「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた。」

 優れた物理学者で随筆家としても名高い寺田寅彦は、「小爆発二件」と題する昭和10年のエッセイで、浅間山の噴火についてこのように述べている。
 確かに噴火に慣れっこになっても、いたずらに怖がり過ぎてもいけないが、その現象を正しく認識し、行動を起こすことは容易ではない。

 寺田は、東京大学地震研究所の創始者のひとりで、付属の浅間火山観測所(軽井沢)にもたびたび訪れ、浅間山を観た。

「天災は忘れた頃にやって来る」
 あまりにも人口に膾炙したこの名言は、いみじくも寺田の言葉であったのだが、
それは逆説的にいえば「忘れない」ための心がけとでもいえるのであろう。

※ 中央の帽子をもつ人物が寺田虎彦。昭和10年浅間火山観測所(軽井沢)
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REN

寺田寅彦さんは学生時代によく読みました。19歳で学生結婚したり(次々と奥様がお亡くなりになってしまうにもめげず)再再婚までしましたね。洒脱な文章が好きでした。
by REN (2012-01-13 09:25) 

山のジコボウ

寺田寅彦さんの「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた。」という言葉は、今回の放射能汚染にも言えますね。
放射線被ばくの健康への影響も、これ以下なら安全という「しきい値」がないといわれていますが、科学の目を通して理性的に怖がることが必要だと思います。


by 山のジコボウ (2012-01-16 23:09) 

八ケ岳

RENさん、ジゴボウさん、有難うございます。
寺田の言葉、今に生きるものが多々あります。

ところで、ジコボウはうちの方では「リコボウ」といって、人気のあるキノコです。
しかし秋には、放射能の影響で採取禁止でした。
キノコおろし、ヌメリがあってうまいんですが
by 八ケ岳 (2012-01-17 07:58) 

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