野辺山高原の原風景 [環境]
昭和7年、開拓が入る前の野辺山高原の原風景。
草原と疎林で、旧石器時代のようである。
いまでは、レタス王国、大規模な農地区画に分割され、45mの電波望遠鏡がそびえる電波天文学の拠点でもある。
旧石器時代の花、3万年の時を経て開花 [環境]
シベリアの永久凍土で見つかった約3万年前の植物の実から種を取り出し、
花を咲かせることにロシアの研究チームが成功したという。
開花したのはナデシコ科の「スガワラビランジ」。確かにナデシコっぽい。
チームは北東シベリアの川岸にある永久凍土を調査し、リスが食料貯蔵用に開けたとみられる穴からその実を発見。
付近の年間平均気温は氷点下7度で、凍った状態で保存されていたとみられる。
実の放射性炭素年代は約3万年前だとか。
未較正なら後期旧石器時代初頭、較正年代なら中盤というあたりだろうか。
子供の頃、大賀ハスの開花の話を聞いて胸をときめかせた。
久しぶりにホッとするニュースだった。
浅間山の噴火と火山災害 [環境]
52年ぶりに爆発的噴火が観測され、噴火を繰り返している霧島山新燃岳。
私の勤務する浅間縄文ミュージアムも火口から9kmの場所にあり、他人事とは思えない。
お見舞いを申し上げるところである。
数年前の浅間山噴火のときも、降灰より、人による風評被害が大きかった。
国際観光地の軽井沢は、当時、観光客が激減した。
写真は1973年1月の噴火、こうした降雪期には、融雪型泥流などの災害の危険性がある。
明日、1月30日午後には、浅間山噴火災害の講演会がある。
霧島を他山の石とせず、こうした講演会などで火山災害に関する情報を得てほしい。
■ 講演会 「発掘された浅間山天明噴火の爪痕 -被害の実相-」
最新の発掘調査の成果から、天明三(1783)年の浅間山大噴火の被害の実態と当時の人々の暮らしに迫ります。
期日 1月30日(日) 午後1:30 ~ 3:00
場所 エコールみよた浅間縄文ミュージアム 大会議室 聴講無料
講師 関俊明(災害考古学研究者)
黒耀の水 [環境]
和田峠、男女倉地区からこんこんと湧き出る水、それが「黒耀の水」である。
本日、神子柴のある南箕輪村に借用資料を返却に行った際、久しぶりに和田峠をとおり、男女倉に降りた。
この水は、黒曜石層を通過して湧き出るミネラル分に富んだもの。
かなりの名水で、これでご飯を炊いたり、コーヒーを入れるととてもうまいのだ。
みんなポリタンクを何個も積んで、この水を汲みに来る。
タダだしね。
写真は茶髪のスナックのママ。この水で水割りを出すと、客が喜ぶのだという。
「ハイ! ニューボトル! ニューボトル!」
ヘラジカ [環境]
掌状角は神奈川県海老名市出土のものの複製。
アゴは現生のもの。
北方系のマンモス動物群に属する絶滅獣で、マンモスは本州へと渡れなかったが、ヘラジカは岐阜熊石洞や本神奈川での出土例があり、本州中央部まで分布域を拡大したことがわかる。
復元するとまるでウマ並みの大きさとなる。
こうした大型獣を果たして旧石器人はどれだけ狩猟したのか?
※ 神奈川県立 生命の星・地球博物館 常設展示より
香坂川源流部の石材産地 [環境]
佐久市香坂川源流部の黒色安山岩原産地である。
ここには下茂内遺跡や八風山遺跡群などの旧石器~縄文草創期の原産地遺跡がひしめいている。
いまでもたくさんの黒色安山岩が採取できる。
石油缶なみの大きさの原石もある。
写真は下茂内遺跡の尖頭器石器群の報告書を苦労してまとめた近藤さん。
今は先生をしているが、もう10年以上会っていないなぁー。
進化の隣人の生態 [環境]
本日、志賀高原近くの有名な地獄谷野猿公園に行ってきた。
ここではおよそ200頭のサル(1集団)が、2kmのエリアを領域として遊動生活を送っている。
樹上などで眠るが、ねぐらが転々と変わる。ボスザルは1頭である。
寿命は、25歳から30歳、縄文人とほぼ同じ寿命である。
ネマガリタケやイラクサの葉、その他植物の新芽などを食料にする。
グルーミングをし、うっとりしているサルもいた。ケンカをしているサルもいた。
今がちょうど出産シーズン、生まれたての赤ん坊サルが親に甘えている姿も見られた。
かわいいものである。
サルの顔は、生まれたてはピンクだが、大人になるにつれて赤くなり、発情期にはさらに赤くなる。
浅間山の火山灰 [環境]
部屋の窓を開けると浅間山がよく見える。 美しい火山である。
写真は2月の浅間だ。噴煙が東にたなびいているのがよくわかる。
上空の偏西風によって、噴煙が東に運ばれるのだ。
浅間は3万年前以降に成長した若い火山なので、その火山灰層は考古学的な鍵として非常に役立ってきた。
たとえば13000年前のYP(板鼻黄色軽石)などは後期旧石器と縄文の境界に位置し、BP(B軽石)は1108年で、古代が終わり中世の始まりを告げる鍵層となっている。
昨日、浅間縄文ミュージアムに来た練馬区の小学校のみんなに聞いたら、昨年秋の浅間山噴火の際、練馬でも火山灰が降って、車のフロントグラスの上についた火山灰にさわったという子どもが何人かいた。
今も浅間は火山灰を降らせ続けているのだ。
そうした小学生にお決まりの質問をする。 「日本に活火山はいくつありますか?」
答えは ”除夜の鐘” といっしょ。
そう 108 である。
旧石器人の味 [環境]
旧石器人が食したと推定されているナッツに、ハシバミ(右)とチョウセンゴコウ(左)がある。
写真の分量、ハシバミ(33個)とチョウセンゴコウ(30g)でそれぞれ200kcal。
ゴハン1杯分(茶わん大き目)のカロリーがある。結構ハイカロリーなのだ。
ハシバミはチョコなどに入るヘーゼルナッツのこと。アクを抜かなくても食べられ結構オイシイ。
チョウセンゴコウはいわゆるマツの実で、ウヰスキーのつまみに最高。
野辺山高原にはいまでもたくさんのハシバミの木があって、業者が大量に採取し、土産物店で販売しているほどだ。また、チョウセンゴヨウの木も八ケ岳に残されている。
仙台市冨沢遺跡では、二万年前のチョウセンゴヨウ実が発見されている。
旧石器の講座などで話す時、このハシバミを参加者に配って食べてもらい、これが”旧石器の味”だというと、みんな喜ぶ。ハシバミは一袋500円。野辺山のドライブインで買える。
ヘラジカ まるでウマ! [環境]
旧石器時代のマンモス動物群の一員であるヘラジカ。
本州でも化石が発見されているが、まるでウマなみだ!
写真は小田原の生命の星・地球博物館の常設展示。
先日スポーツ・ゼビオにいったら、そこにも実物大のヘラジカ模型があった。
結構リアルだった。
この大型哺乳類を、どの程度旧石器人は獲ったのか?