和田峠黒曜石原産地群の調査 [石材]

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8月前半、明治大学黒耀石研究センターでは、和田峠黒曜石原産地群の調査を実施。

八ヶ岳もセンター員としてその調査に加わった。
写真は星ケ台の黒曜石が露出する斜面。8月6日。
崖の全面がキラキラ輝いていた。

黒曜石という資源に、旧石器時代の人々がどのように向き合ったか。
その研究的アプローチについて、目下、思案中である。


緑色チャート(シモフリ頁岩) [石材]

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さきにご紹介した「シモフリ頁岩」などと俗称される石材、じつは中ッ原1G地点の報告書(八ケ岳旧石器研究グループ1995)に鑑定結果が出ているので皆様にお知らせします。写真はその顕微鏡写真です。
産地は、野辺山高原から川上村にかけての高登谷(たかとや)層群とよばれる中生層にあるとの報告結果です。わたしたちはこれをブルーのいわゆるチャートと区別するため、「緑色」をつけて、「緑色チャート」と呼んでいます。

※ パリノ・サーヴェイ 1995 「中ッ原遺跡群出土の旧石器の石材同定」 『中ッ原第1遺跡G地点の研究』 八ケ岳旧石器研究グループ編より 以下引用

岩石名:チャート
岩石の組織:化学的砕屑性組織
主要鉱物
石英:基質は試料1と類似し、微品質の石英を主成分鉱物とする。基質となる個々の石英粒子の粒径は0.005mm以下できわめて微細である。石英の一部はカルセドニ質(玉髄質)である。基質中には石英細脈が発達し、最大0.002mmの粒径のやや伸長したカルセドニ質石英が生成されている。カルセドニは伸長性が(-)を示すことで正常な石英と識別できる。
副成分鉱物
斜長石:基質および細脈中に微量存在し、最大粒径0.15mmの他形破片状を呈する。斜長石は曹長石質で、集片双晶が発達している。粒形から砕屑物と判断される。
方解石:細脈状あるいは不規則粒状を示す方解石が微量存在する。細脈や基質の孔隙に二次的に生成された鉱物と判断される。
ピナイト:石英細脈中に放射状組織を有する球顆状を示すピナイトが存在し、きわめて微量含まれる。最大粒径は0.12mmである。ピナイトの周辺は水酸化鉄に汚染され、褐色を示すことが多い。ピナイトを含む細脈の-部の孔隙には水酸化鉄が充填している。
緑泥石:きわめて微量存在し、細脈状に伸長した産状を示す。おそらくピナイトからの変質鉱物と考えられる。
その他
 微量の斜長石と方解石を含み、チャートの岩質はやや不純である。いわゆる「非変成チャート」で、再結晶化はほとんどみられない。わが国の中一古生界に比較的普遍的に産出するものと同種である。

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