「旧石器遺跡捏造事件」本 [図書]
「もうマスコミも大々的には捏造を取り上げることはないでしょうね」
先週、某大手のA紙の記者と話していてそんな話になった。
10周年の特集がいくつか新聞紙上に組まれ、確かにこれで打ちどめかもしれない。
これ以上追及しても、何も出てこないだろうし、懺悔の値打もない。
むしろ、マスコミに踊らされず、粛々と研究を進めるべきなのだ。
10年を契機に、2つの書籍が刊行された。
岡村道雄、松藤和人氏による捏造事件の総括である。
書中、岡村氏が藤村氏に会ったというのには驚いた。肝が据わっている岡村さんらしい。
藤村氏がゴットハンドを切断して、今は福島県にいることはかなり以前から聞いていた。
しかし、多くの読者は、初めて聞き、驚くに違いない。
本には書いてないが、切断により氏は障害者年金で静かに暮らしているようだ?
一方、松藤氏は、「捏造のトラウマにより、研究は安全圏に逼塞し、前期旧石器に対して腰が引けた状態が続いている」という。
それへの反骨が「砂原」の調査やマスコミ発表などに繋がっているのだろう。
フロンティア精神に拍手を送りたい。しかし私の立場は逆だ。
今は性急に古い石器探しに傾倒すべきではないように思う。
ふたたびニッポン原人(旧人)を夢見る前に、旧石器学が固めるべき土台があるのだろう。
2010-11-18 23:20
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最近、ハヤカワ・ミステリ文庫『原始の骨』(アーロン・エルギンズ著)を読みました。ミステリーの内容はともかく、題材と登場人物の反応は興味深かった。暇つぶしにどうぞ。
by あしたか山のササッパラ (2010-11-19 06:14)
『原始の骨』(アーロン・エルギンズ著)
面白そうですね。ササッパラさん。
捏造についての暗喩が含まれているのでしょうか。
by 八ケ岳 (2010-11-19 22:52)
捏造事件そのものがネタばれなんですが、外国でもそう感じるのだなと思います。
by あしたか山のササッパラ (2010-11-21 07:28)
藤村氏は大いなる勘違いをしていないだろうか?
「手」が悪いのではありません。「性根」が悪いのです。
断ち切る部位が違います。
悪い「性根」をすっぱり断ち切り 一から出直し世の中にお返しをするべきです。「障害者年金」を受けているなんて
“甘い!!
by みぎわ はるひこ (2010-11-29 20:38)