新刊 『旧石器・縄文時代の環境文化史』 工藤雄一郎著 [図書]
工藤雄一郎さんの『旧石器・縄文時代の環境文化史』がついに刊行となった。
書籍は、環境文化史をうたいながらも、ベーシックな年代についての記述が充実し、この時代を学ぶ上で、必要不可欠の文献となった。
読んでみて、改めて初歩的なことまで再認識させられたのである。
旧石器・縄文時代の年代については、較正がなされるようになってから、たえず頭が痛かったため、工藤さんの著作で、整理ができた。
ことに、同書166-167の見開きの図「5-1万年前の環境史と考古編年の時間的対応関係」は、その仕事が濃縮された労作である。
手元に置かないと年代を論ずることができない基本的文献となった。
タイトル付けにも苦労したと思うが、単に「年代論」としないで、「環境文化史」といったところに志の高さがみえる好著である。
新泉社刊 9000円+税 B5版 371頁
2012-02-13 21:58
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コメント(2)
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ご紹介ありがとうございます。
>手元に置かないと年代を論ずることができない基本的文献
堤さんからこのような評価をいただき大変嬉しいです。
古本州島の後期旧石器時代初頭から縄文時代草創期までの約700点の14C年代測定例,関東の縄文時代早期から晩期の約250点の14C測定例を一覧表として出しています(IntCal09による較正年代付き)ので,旧石器・縄文の関係者の皆様にも,年代を参照する際に役に立つ本になったのではないかと,個人的には思っています。
ぜひ多くの研究者の皆様にご覧になっていただき,ご批判いただけましたら幸いです。
by 工藤雄一郎 (2012-02-14 19:35)
工藤様 ご大著刊行おめでとうございました。
「環境文化史」といったところに志の高さがみえる好著である。
私の力点を置いたのは「志の高さ」でしたが、いずれにせよ、すばらしい学位論文でした。
by 八ケ岳 (2012-02-14 21:33)