コスチョンキの旧石器男性 現代ヨーロッパ人の遺伝子を全部備える!? [思考漂流]

 3万7千年前のコスチョンキ遺跡のの旧石器男性について、脚の骨から採取したDNAの断片を調べたところ、この人物が遺伝的には現在ヨーロッパに暮らしている人々と驚くほど似通っていることが分かったということです。
 
 「Science」誌に11月6日付の論文で、コペンハーゲン大学の遺伝学者エシュケ・ウィラースレフ氏によると、この男性の遺伝子には、ヨーロッパに段階的に流入したと長く考えられてきた特徴的な遺伝子の痕跡が見つかりました。
 
 従来のシナリオは、まず約4万年前、狩猟採集者の集団がアフリカからヨーロッパへ移住し始めた。かなり後になって、農耕・牧畜を営む別の集団が中東から北上し、先に住み着いていた狩猟採集者たちを圧倒するに至った。彼らが、現在目にするヨーロッパ人のゲノムの基礎を形作ったというもの。こうした筋書きに意外な事実を提示するのが、ウィラースレフ氏らの新たな研究成果だそうです。

 コステンキの人骨は、他の遺伝学者がそれぞれ別の時代の狩猟採集集団と農耕集団のものと判断していた遺伝子を全て備えている。ウィラースレフ氏は、「ヨーロッパ人を最古の人々までさかのぼったら、現代のヨーロッパ人が持つ遺伝子がすでに全部備わっていたなんて、普通は予想しないでしょう」とインタビューに答えています。

 例えば、最初の農耕集団が新石器時代にもたらしたと従来考えられていた遺伝子は、実際にはもっと早くヨーロッパに入っていた可能性が出てきたということで、ウィラースレフ氏は別々の集団が衝突したり時折混ざり合ったりしていたのではなく、遺伝的に似通った単一の集団が、ロシアから中東、北欧までのヨーロッパ全域に広がっていたとみているようです。

ナショナルジオグラフィック誌でも、写真付きで紹介されていますね。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20141107003


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