八ケ岳・春 [遺跡]
100年に一度という不況もどこ吹く風、矢出川遺跡はいつものように穏やかだった。
本日、甲斐の国へと企画展の資料借用に赴く途中、なぜか心が騒いで矢出川に立ち寄った。
そういえば春、農作業が始まる前の本格的 ”表採” シーズンなのである。
革靴であったが汚れることを厭わず、畑に入り、表採をし、久々に時を忘れた。
おっと、表採というのはよろしくない。勤務時間中なのだ。
埋蔵文化財詳細分布調査と言い換えておこう。
さっそく細石刃を2個拾った。これまでの矢出川の細石刃総数は5000点、国内3位の数だ。
小さいほうの細石刃は、私の眼から出る蛍光X線によると、おそらく神津島産だ。
たいがい、そう予想して分析にだすと、9割の確立で当たるので、まんざらではない。
思えばこの遺跡で、多くの師や友との邂逅があり、かけがえのない財産となった。
博士論文もこの遺跡を主題とした。
八ケ岳は青い山肌をみせ、いく筋もの雪をとどめている。
標高1350m、高原に吹く風は冷たかった。
2009-04-23 22:15
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コメント(2)
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矢出川も久しく訪れていません。
久しぶりに歩いてみたくなりました。
by jun3519 (2009-04-24 23:01)
やっぱ、歩けオロジーですね。
by 八ケ岳 (2009-04-24 23:18)