デポ? 唐沢Bの石器出土状況 [遺跡]

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前回に引き続いて、唐沢Bである。

製作時の剥片や砕片を伴わず、完成して破損のない石器ばかりが並ぶ。
私はこれをデポと理解しているが、住居とする見解もある。

この遺跡の発掘を行った森嶋稔は、まさに生活址的で、デポと言えるようなものではない、というが。
皆さんはどのように解釈されるだろうか?

大平山元遺跡が史跡指定に [遺跡]

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津軽半島の北東部、青森県外ヶ浜町にあり、日本を代表する旧石器から縄文草創期の遺跡である大平山元遺跡が今回国史跡となった。
大平山元遺跡は外ヶ浜町大平に所在し、蟹田川左岸の標高25mの河岸段丘上に位置し、縄文時代草創期のI遺跡、旧石器時代のII・III遺跡からなる。青森県立郷土館が行った1975~79年の発掘調査、國學院大學谷口康浩教授の行った調査などによって、有樋尖頭器石器群、細石刃石核群、神子柴石器群などが検出された。ことに神子柴石器群では、小さな土器片が発掘され、較正年代で16000calBP以前の年代が出され、縄文時代の起源論と絡んで議論を呼んだ。

八ケ岳も大平山元I遺跡の掻器の使用痕分析を行ったり、有樋尖頭器の研究をしたこともあり、思い入れの深い遺跡である。

文化庁は、2000年旧石器ねつ造事件により、座散乱木遺跡が史跡解除になったことを受けて、旧石器時代の史跡指定に慎重になっていたとの憶測もあった。それゆえに、今回の指定は、当該研究にとって、明るいニュースといえる。

福井洞窟 現地説明会 [遺跡]

このたび新聞にも掲載された長崎県佐世保市福井洞窟の現地説明会が開催されます。
発掘中で、めったに見るチャンスはないでしょう。
一般向け、専門家向けの双方期日が異なります。

一般向けは期日が今週末と迫っておりますので、ご注意ください。

◆国指定史跡 福井洞窟 発掘現地説明会

●一般向け (申込み不要)
平成24年12月22日(土)(申込み不要)
午前 10:00-11:30 午後13:30-15:00

●専門家向け(要申込み)
日時:平成25年1月19日(土) 午後13:30-15:00

場所:福井洞窟(長崎県佐世保市吉井町福井)
申込み・問合せ先:佐世保市教育委員会社会教育課教育文化係 
     文化財班 0956-24-1111 ex3126・3127
●アクセス
西肥バス「下福井」バス停下車、徒歩3分
松浦鉄道西九州線吉井駅より車で7分

ホーレンシュタイン・シュターデル洞窟 [遺跡]

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今年8月、ドイツのホーレンシュタイン・シュターデル洞窟を訪ねた。

シュヴァーベン地方のローネタール(はぐれ谷)にあるこの洞窟は、3万年以上前のオーリニャック期のライオンマンが出土したことでよく知られている。

現在、テュービンゲン大学により、再発掘が進められており、発掘に参加している北川恵子さん(動物考古学)にご案内いただき見学することができた。

1939年に発掘されたライオンマンだが、今回の再調査により新たに接合する象牙片がいくつか確認されているということであった。今年の調査でも、骨針や牙のペンダントなどが新たに発見されており、調査の進展が期待されるところである。

矢出川旧石器遺跡群の試掘調査―本日― [遺跡]

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本日は、八ケ岳(正面)に初冠雪があった寒い日だった。
急遽、年休をとって、矢出川旧石器遺跡群の試掘調査に臨んだ。

矢出川のある南牧村には担当者がいないため、先週、私に試掘の依頼が来た。
ここのところかなり多忙だったので、受けるのを迷ったが、うやむやに工事を実施されてはかなわんし、愛するフィールドの矢出川遺跡群のことでもあるため、お受けすることにした。
また、その地点のローム層堆積も観察してみたいと思ったからだ。

トレンチを9か所入れた限りでは、旧石器は当たらなかった。また、ローム層上面が工事掘削底面より25cm下(-105cm)ということもあって、遺跡が壊される可能性も少ないため、慎重工事とした。

「生活道路が遺跡で通れない!」 現場で隣接地の人間に怒られた。
あれれ、隣りの道路がありますよ。理由はカンケイなく、いつも埋文は肩身が狭い。

野辺山は今年の冬、氷点下30度となった。標高1340mの寒風が骨身に浸みた。

※ 写真右は視察に来た村長


ドイツの旧石器遺跡調査に行ってまいります [遺跡]

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しばらく、ドイツの旧石器遺跡調査に行ってまいります。
その間、不在となりますがご容赦ください。

8月25日 フランクフルト14:30着 テュービンゲン市へ向かいテュービンゲン泊

8月26日 テュービンゲン大学博物館見学 
       午後ブラウボイレンへ行き、ブラウボイレン博物館見学 ブラウボイレン泊

8月27日 ガイセンクレステレ、ホーレフェルス洞窟遺跡見学
   フォーゲルヘルト、ホーレンスタイン・シュターデル遺跡見学

8月28日 アルプス氷河関連遺跡の見学。プリーン泊

8月29日 車でミュンヒェンヘ。午後ミュンヒェン市内見学。ミュンヒェン泊

8月30日 ミュンヒェン市立博物館、ミュンヘン大学等の見学。ミュンヒェン泊

8月31日 ミュンヒェン発

9月 1日 成田着10:15

※ 写真=ホーレンスタイン・シュターデル遺跡のライオンマン (著作権フリーの写真)

青森県尻労安部遺跡から旧石器と動物骨 [遺跡]

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 青森県東通村の石灰岩洞窟尻労安部(しつかりあべ)遺跡の調査が終わったようですね。
 7月30日から今月9日まで11日間の調査で、約2万年前の地層から石器1点と、ウサギなどの骨や大型のクマの歯など数点が検出されたとのことです。クマは、現在本州に生息していないヒグマの可能性もあるといいます。
 慶応大考古学研究室の調査団は「人骨発見の可能性が高まってきた」と評価、来年以降も発掘を継続するとの報道です。

2年ぶりの遺跡発掘 [遺跡]

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5/30より、山間の標高1000m、南相木村見上遺跡の調査が始まった。

さっそく縄文中期の遺物にあたった。住居跡になればいいが・・・・。
久しぶりに現場に立って思った。
・・・・発掘って楽しい!


和田峠広原湿原周辺の旧石器遺跡発掘 [遺跡]

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現在、和田峠広原湿原周辺の旧石器遺跡の調査中である。

調査は明治大学黒耀石研究センター。ローム中から良質な黒曜石で大きな石刃・剥片・石核が、スポット状に大量に出土した。いかにも原産地らしい出土状況である(赤丸部)。
また、和田峠周辺らしくなく、礫の混じらない良好なローム層堆積であった。

おそらくナイフの文化層と思われるが、トゥールでは削器があった。
ATの層準が気がかりである。
調査は本日まで。明日は埋め戻し。

焼町土器最終段階?を発掘 [遺跡]

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御代田町宮平遺跡の調査で、縄文中期の住居を11月後半に発掘した。

焼町土器の最終段階だろうか?
井戸尻Ⅲ並行の土器が出て、楕円の隆帯区画内に列点刺突文があった。

この住居からは土偶も出土。
面白い調査になった。

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