『史跡福井洞窟発掘調査報告書』 刊行! [図書]

『史跡福井洞窟発掘調査報告書』がついに刊行になりました!

2012年から2013年までの発掘調査報告です。
その調査経緯から環境の記述の後、各層位の石器群の記述が詳細になされています。1層から14・15層までの記載です。
重複した細石刃文化層の良好さには圧倒され、その層位的変遷過程が追えます。
また、年代、洞窟内堆積物、植物遺存体、動物遺存体ほか自然科学的分析、考古学的考察も充実しています。カラーページもふんだんにあり、理解を助けています。

日本考古学協会で販売とのことです。お早めにお求めください。

刊行 佐世保市教育委員会 0956-24-1111
A4 426頁 8000円

新編 越後三面山人記 : マタギの自然観に習う (ヤマケイ文庫) [図書]

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田口洋美さんのロングセラー『越後三面山人記』、文庫版となりましたね。
東京埋文時代の佐藤宏之さんに勧められ、農文協版をすぐ購入し、三面のマタギサミットにも参加した懐かしい思い出があります。

手に入りやすくなった名著、ぜひご覧ください。

■ ご紹介文と目次
日本の狩猟文化研究の第一人者、東北芸術工科大学教授兼狩猟文化研究所所長・田口洋美氏の若き日の意欲作、隠れたロングセラーを文庫化。
朝日連峰の山懐、新潟県の三面川(みおもてがわ)中流の深い谷間にあった三面集落。
今は三面ダムの底に沈んだこの山里の狩猟文化・山村習俗を、四季折々の山の民の暮らしを追うかたちで詳細に記録した、著者若き日の意欲作。

第一章 狩りの日の出来事
第二章 降りしきる雪の中で-冬-
第三章 山の鼓動とともに-春-
第四章 むせるような緑に抱かれて-夏-
第五章 時雨れる雲ノ下で-秋-
第六章 山人の自然学


文庫: 384ページ
出版社: 山と渓谷社 (2016/2/19)

更新世末期のアムール川下流域における環境変動と人類行動Vol. 1 刊行! [図書]

更新世末期のアムール川下流域における環境変動と人類行動Vol. 1:オシノヴァヤレーチカ12遺跡(2010年)およびオシノヴァヤレーチカ10遺跡(2012-2013年)発掘調査報告書が刊行となりました。

橋詰潤さん(明治大学黒耀石研究センター)・シェフコムードI.Ya.・内田和典さんらが編者となって刊行された書籍で、ロシア連邦アムール川下流域の土器出現期である「オシポフカ文化」遺跡の発掘調査報告に加え、年代測定結果や東アジアにおける土器出現期の概観と今回の調査成果の位置づけに関する論考を掲載。
『明治大学黒耀石研究センター資料・報告集』第2号
2016年3月刊行.111頁,写真図版Pl.1~20。

この書籍はオープンアクセスで、次のアドレスからダウンロード可能です。
http://www.meiji.ac.jp/cols/about/publication.html

ぜひご覧ください。




ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた [図書]

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河合信和さん監訳の、本書が刊行となりました。

きわめて刺激的な本で、河合さんのこんなあとがきがあります。
一般の人にも強い関心があり、永遠のテーマでもある「ネアンデルタール人はなぜ絶滅したのか?」の謎に、最新かつ総合的なアプローチで、原著者パット・シップマンはこれまで想定されたことのなかった推論を導き出した。
アフリカから中東をへてヨーロッパに進出した現生人類は、気候変動や遺伝的多様性の欠失で衰退しつつあったネアンデルタール人を、意図せざる結果として滅ぼした。それには、この頃にいち早く家畜化されるようになったイヌ(原著者の言う「オオカミイヌ」)の存在があった――という説である。
この説を提起したパット・シップマンがベースにしたのは、おおまかに言ってふたつの発見である。
ベルギーのゴイエ洞窟のイヌ科動物が実は家畜化されつつあったオオカミイヌであり、その年代がそれまで想定されていたよりもはるかに古い3万6000年前頃(較正年代)という早さであったこと、そして昨年(2014年)の英科学週刊誌『ネイチャー』8月21日号で報告され、考古学と古人類学の研究者に衝撃を与えた、オックスフォード大学のトマス・ハイラムらのチームによるネアンデルタール人の絶滅と現生人類のヨーロッパへの拡散と制覇の新たな年代的見直しである。
こうした最新知見を基に、動物考古学者として生態学の観点から、上記の説を説得力をもって論述しているのが本書である。

序 章
第1章  わたしたちは「侵入」した
第2章  出発
第3章  年代測定を疑え
第4章  侵入の勝利者は誰か
第5章  仮説を検証する
第6章  食物をめぐる競争
第7章 「侵入」とはなにか
第8章  消滅
第9章  捕食者
第10章 競争
第11章 マンモスの骨は語る
第12章 イヌを相棒にする
第13章 なぜイヌなのか?

パット・シップマン
河合信和監訳、柴田譲治訳
四六判・294頁・定価2592円(本体価格2400円)

第14章 オオカミはいつオオカミでなくなったのか?

第15章 なぜ生き残り、なぜ絶滅したか

島に生きた旧石器人・沖縄の洞窟遺跡と人骨化石 シリーズ「遺跡を学ぶ」104 [図書]

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沖縄県立博物館・美術館博物館班主任の山崎真治さんのご著書、好評発売中ですね。

ちなみに、サキタリのサキとは酒の意味らしく、酒が垂れる、つまり酒を造っていた洞窟という意味があるようです。まさか! 旧石器人が泡盛で乾杯していたんじゃ!?

アフリカを旅立ち、東アジアに拡散した現生人類は、四万~三万年前、海を渡って沖縄の島々へ到達した。石垣島の白保竿根田原(しらほさおねたばる)洞穴遺跡と沖縄島のサキタリ洞遺跡からみつかった人骨化石や貝器から沖縄人類史の謎に迫る内容です。

目次 : 第1章 港川人をめぐる謎(港川人の発見/ 大山盛保の軌跡/ 化石の島・沖縄)/ 第2章 白保竿根田原洞穴遺跡の発掘(闇の中の骨/ 未知の時代を掘る/ 姿をあらわした旧石器人骨)/ 第3章 サキタリ洞遺跡の発掘(カニの洞穴/ 石器と貝器の発見/ 貝は語る)/ 第4章 沖縄人類史の謎に迫る(見えてきた謎の答え/ 東アジア縁海地域の人類史/ 島に生きた旧石器人)

出版社: 新泉社
ISBN-10: 4787715348
発売日: 2015/10/2
1600円+税


人猿同祖ナリ・坪井正五郎の真実: コロボックル論とは何であったか [図書]

三上徹也さんの新刊が刊行となりました。

『人猿同祖ナリ・坪井正五郎の真実: コロボックル論とは何であったか』

「日本人はどこから来たのか」の厚い壁に挑んだ最初の人類学者、坪井正五郎。我が国人民は天孫民族であるを誇りに、明治の近代化が始まった時、大森貝塚も発見された。しかしここには食人痕跡ある人骨も発見されて、ではこの野蛮人種は一体誰かと、学界・国民沸き立った。多くがアイヌ説を唱える中で、日本人類学の父・坪井正五郎は、アイヌの伝説に登場する「コロボックル」と導いた。大きな批判の嵐の中、神話歴史と闘った坪井の真意は・・・。

三上さん、高校の先生でお忙しいのに、ホントよく書かれますね。

単行本: 389ページ  出版社: 六一書房  http://www.book61.co.jp/book.php/N54284
3996円(税込) 発売日: 2015/7/31

目次
【目次】
はじめに ― 本稿の目的に替えて ―
第一章 日本人類学の立ち上げ
 第一節 人類学を志す
  一 生い立ち
  二 人類学会を立ち上げる
 第二節 モースの、そして進化論の影響
  一 モースに対する坪井の真意
  二 進化論への強い傾倒
 第三節 坪井正五郎に影響を与えた二人
  一 箕作佳吉
  二 三宅米吉
第二章 コロボックル論争前夜
 第一節 モースの大森貝塚調査と、導かれた人種観
  一 大森貝塚の調査と報告書
  二 モースの人種観
  三 坪井と白井のモースに対する認識の違い
  四 コロボックル人種への関心
 第二節 三宅米吉の『日本史学提要』の意義
  一 驚愕の内容
  二 現代的な評価と知られざる一面
第三章 横穴論とその論争
 第一節 論争の経過
 第二節 土蜘蛛は日本人種なり
  一 土蜘蛛への世間の関心
  二 坪井の土蜘蛛論
  三 シーボルトの影響
第四章 コロボックル論とその論争
 第一節 狭義のコロボックル論 ―対人物論争とその意義 ―
  一 白井光太郎と(国体史観と欧米科学史観の対立)
  二 小金井良精と(形質人類学と総合人類学の対立)
  三 濱田耕作と(型式学的方法の萌芽をめぐる)
 第二節 広義のコロボックル論 ― 坪井人種論の変遷 ―
  一 コロボックル人種に関する認識とその変化
  二 日本人種について
  三 「人猿同祖ナリ」 ― 坪井の人種観 ―
第五章 日本石器時代に「ない」とされた二つへの挑戦
 第一節 竪穴住居存否問題
  一 本州に竪穴住居はないのか
  二 ならば杭上住居の可能性
 第二節 日本列島旧石器存否問題
  一 旧石器時代の認識と否定
  二 鳥居龍蔵の人気と年代観
  三 坪井の考え
 第三節 信州諏訪湖底曽根遺跡との遭遇とその意味
  一 曽根遺跡の発見と曽根論争
  二 坪井にとっての曽根の意義
 第四節 坪井の本音
  一 曽根への飽くなき坪井の想い
  二 信念と心残りの無念の死
第六章 坪井の真実
 第一節 坪井の事情
  一 帝国主義に迎合したのか
  二 本音を言えない坪井の事情
 第二節 真実を求めた坪井とその後
  一 よく似る三宅と坪井
  二 坪井の死
  三 坪井の種
  四 コロボックル論とは何であったか


北の原始時代 [図書]

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阿子島香さん編の『北の原始時代』刊行となりましたね。
下記の目次のように、旧石器の記述は非常に充実しています。
また、縄文では長野の水沢教子さんが「縄文土器と原始社会」について書かれています。

ぜひ、ご覧下さい。

■ 出版 吉川弘文館
■ 四六版 270頁 本体2,400円+税
■ 内容
序 石器時代の東北…阿子島 香/氷河時代の人類生活を探る…阿子島 香(本州島北東部の初期的適応/九州島から本州島北東部までの人類拡散)/旧石器人の装備と変動…沢田 敦(発見された東北日本の旧石器人類文化/後期旧石器時代の東北日本―人類活動の舞台としての環境/石器研究の方法/石器群の変遷と環境変動)/コラム 年代測定と暦年較正/地球温暖化と縄文的適応へ…鹿又喜隆(更新世末から完新世初頭の環境変動/旧石器時代の終わりと寒冷化/温暖化と寒の戻り/温暖化と縄文社会の成立)以下細目略/東北縄文集落の姿…菅野智則/コラム 貝塚からわかること/縄文土器と原始社会…水沢教子/コラム 東北縄文時代人の身体―顔つき、体格、身長/亀ヶ岡文化の実像…関根達人/東北アジアのなかの東北先史文化…福田正宏/略年表

矢出川:特別割引価格6月末まで [図書]

◆ 矢出川遺跡の研究 :特別割引価格6月末まで

6月末までは特別価格販売で、本体9000円のところ8000円で販売です。(+税 送料無料)

6/20、6/21の日本旧石器学会にて、お申込書を配布します。

また、信毎書籍印刷(株)  hello@sshoseki.co.jp
に、6月末の特別割引価格にて注文と(堤紹介による)、メールくださっても結構です。

お申し込み後、振替用紙が送付されます。お振り込み後、書籍がお手元に届きます。

この機会にぜひともお申込みください。

◆ A4 上製 カバー装 444頁 刊行 信毎書籍出版センター

◆ 目次

第1章 野辺山高原の旧石器時代遺跡
 第1節 野辺山高原
 第2節 野辺山高原における旧石器時代の調査と研究
 第3節 野辺山高原の旧石器時代遺跡群

第2章 矢出川第遺跡
 第1節 矢出川第Ⅰ遺跡における調査の経緯
 第2節 矢出川第Ⅰ遺跡 A 地点の発掘調査成果の再検討
 第3節 矢出川第Ⅰ遺跡 B ・ C ・ D 地点ほか発掘調査成果の再検討
 第4節 矢出川第Ⅰ遺跡 MB 地点の発掘調査成果の再検討
 第5節 矢出川第Ⅰ遺跡 MC 地点の発掘調査成果の再検討
 第6節 矢出川第Ⅰ遺跡 1981年の発掘調査成果の再検討
 第7節 矢出川第Ⅰ遺跡の調査成果と課題
 第8節 矢出川第Ⅰ遺跡の細石刃石器群コレクション

第3章 東矢出川遺跡 長﨑 治
 第1節 東矢出川遺跡

第4章 野辺山高原の細石刃遺跡 堤  隆
 第1節 矢出川第Ⅹ遺跡
 第2節 丸山山頂遺跡
 第3節 矢出川遺跡群 32散布地・65地点・67地点
 第4節 柏垂遺跡
 第5節 西の腰遺跡 A 地点・切草遺跡 B 地点・馬場平遺跡
 第6節 葭ノ頭遺跡・立石遺跡15 3地点
 第7節 中ッ原第5遺跡 B 地点
 第8節 中ッ原第1遺跡 G 地点

第5章 細石刃石器群をめぐる研究
 野辺山高原における細石刃石器群の産地推定 【望月明彦】
 野辺山高原の細石刃石器群における細石刃離方法の同定 【髙倉 純】
 矢出川再訪:稜柱形細石刃石核と細石刃の形態分析【島田和高】
 野辺山高原を遊動した細石刃狩猟民【須藤隆司】
 古本州島における細石器化の意義【仲田大人】
 日本列島における細石刃石器群の研究【加藤 学】
 Obsidian exploitation, use and technological strategy of Microblade hunters 【Takashi Tsutsumi】 

第6章 結 語
 矢出川:日本列島で最初に発見された細石刃石器群の研究

『矢出川:日本列島で最初に発見された細石刃石器群の研究』 【協会にて特別価格販売】 [図書]

◆ 矢出川:日本列島で最初に発見された細石刃石器群の研究 

が、なんとか帝京大学の日本考古学協会に初お目見えします!
たぶん、月曜からCDの貼り込み作業が行われ、ギリギリ間に合う感じです。

6月末までは特別価格販売で、本体9000円のところ8000円で販売です。
長野県コーナーで販売していますので、ぜひお求めください。

◆ A4 上製 カバー装 444頁 刊行 信毎書籍出版センター

◆ 目次

第1章 野辺山高原の旧石器時代遺跡
 第1節 野辺山高原
 第2節 野辺山高原における旧石器時代の調査と研究
 第3節 野辺山高原の旧石器時代遺跡群

第2章 矢出川第遺跡
 第1節 矢出川第Ⅰ遺跡における調査の経緯
 第2節 矢出川第Ⅰ遺跡 A 地点の発掘調査成果の再検討
 第3節 矢出川第Ⅰ遺跡 B ・ C ・ D 地点ほか発掘調査成果の再検討
 第4節 矢出川第Ⅰ遺跡 MB 地点の発掘調査成果の再検討
 第5節 矢出川第Ⅰ遺跡 MC 地点の発掘調査成果の再検討
 第6節 矢出川第Ⅰ遺跡 1981年の発掘調査成果の再検討
 第7節 矢出川第Ⅰ遺跡の調査成果と課題
 第8節 矢出川第Ⅰ遺跡の細石刃石器群コレクション

第3章 東矢出川遺跡 長﨑 治
 第1節 東矢出川遺跡

第4章 野辺山高原の細石刃遺跡 堤  隆
 第1節 矢出川第Ⅹ遺跡
 第2節 丸山山頂遺跡
 第3節 矢出川遺跡群 32散布地・65地点・67地点
 第4節 柏垂遺跡
 第5節 西の腰遺跡 A 地点・切草遺跡 B 地点・馬場平遺跡
 第6節 葭ノ頭遺跡・立石遺跡15 3地点
 第7節 中ッ原第5遺跡 B 地点
 第8節 中ッ原第1遺跡 G 地点

第5章 細石刃石器群をめぐる研究
 野辺山高原における細石刃石器群の産地推定 【望月明彦】
 野辺山高原の細石刃石器群における細石刃離方法の同定 【髙倉 純】
 矢出川再訪:稜柱形細石刃石核と細石刃の形態分析【島田和高】
 野辺山高原を遊動した細石刃狩猟民【須藤隆司】
 古本州島における細石器化の意義【仲田大人】
 日本列島における細石刃石器群の研究【加藤 学】
 Obsidian exploitation, use and technological strategy of Microblade hunters 【Takashi Tsutsumi】 

第6章 結 語
 矢出川:日本列島で最初に発見された細石刃石器群の研究

『旧石器時代ガイドブック』3刷りに [図書]

おかげさまで『旧石器時代ガイドブック』3刷りになりました。

現代人的行動の内容に、「情報ネットワークの形成」という説明があるのですが、
スマホではなく、ガラケーが図版で載っているのにはフフフですが・・・

ご愛顧ありがとうございます。

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